H25/7/13
63歳男の「俺の人生めちゃくちゃ」の言葉
■宝塚市役所放火事件について
市税収納課に訪れ、固定資産税の督促状が届いたため、文句を言いにきたとのこと。この一言をとってみれば最近このような相談者が多い。
広島市の場合、市税の滞納は100万円を超えると、法人、個人を問わず、本庁の滞納整理特別班へ各区役所の市民税収納課から移管される。徴収事務の一元管理を行い、効率化を図るためだと思われる。私も何度か依頼者から納付相談を委任されて行ったことがある。
最近行ってみて、びっくりしたのは滞納整理特別班の窓口が役所のカウンター越しに見られるコーナーの一画にあるのではなく、それ専用の部屋であったこと。
警察の取調室の大部屋みたいで、そこに選任の担当者が2人位机を並べており、その雰囲気と言えば、ちょっと威圧感がある感じ。入って右に小さな応接用の椅子と机があり、そこで相談ってことです。若いべっぴんさんなんかいやしない。色気ゼロの殺伐としたところです。どなり声を上げたところでぬかに釘のようです。よく窓口に納付相談にくる人の中には決まって、1日に何人かは大声をあげて怒鳴る人がいると市税の係の人は言っており、その仕事の大変さを言ってました。
この放火事件以来、オープンスペースでの徴収事務も今後ますますやりにくくなるでしょう。ガソリンなど持ってきてばらまかれたら目も当てられない。市民窓口の盲点です。みんながみんな犯罪者ではないので、トラブルの線引きをどこで引いて対応するのか難しいことでしょうね。
ただ各区役所収納課や本庁の滞納整理特別班の雰囲気は作られた当時からものものしいイメージはあります。その原因は滞納徴収事務のやり方ではないでしょうか?人(納税者)は税金を払いたくない人は誰もいないのです。払いたくても払えないのです。理由は、会社や個人の抱えている資金繰りの悪化や生活苦のためです。固定資産税、市民税、国民健康保険料、国民年金保険料の納付は本人の人生生活に直結する隠れたライフラインです。本人について回る支払い義務で、納めなければ一生ついて回るものです。
一か月前に本庁宛てに、市民税の滞納に苦しんでおり、納付できない理由の生活状況を記して、市民税の減免申請をしたところ、ナシのつぶてです。国税徴収法の規定より払わなければならないものだと一点張りです。せいぜい、毎月5000円の支払いに応じてもらっただけです。
投資ファンドに手を付けて訳の分からない産業再生分野にテコ入れするような余裕があるのなら、滞納に苦しんでいる生活保護レベルの市民に対して大岡越前のような貧乏人の為の温情なさばきはできないのでしょうか?市税の長期分割返済、高利の14%の延滞金の停止や廃止、減免措置・免除などの対策を取っても良い気がするのですが。
過去に、ある区役所に目の不自由なお子さんを養育している保護者から市民税の延滞金およそ50万円を免除する手続きをして欲しいとの依頼がありました。そこで、減免申請書を提出しました。
目の不自由な我が子の為に盲学校に行かせるため、夫婦共稼ぎで働いており、なおかつ目の手術治療代の為の多額の経済的支出があり、やむを得ずサラ金に手を出したこと。その支払ができない為に親に肩代わりしてもらったこと。親や本人もこれ以上の支払いはできないこと。をめんめんと切に訴えました。
後日、親御さんから、文面を読んであまりの我が子の苦労に涙を流したと言われました。 結果、区役所から減免通知の書類が届き、本人・親の喜びはいうに言えないものがありました。このとき、市政も鬼ではないものだと感動しました。
あれから数年経ちましたが、行政の対応は一段と徴収の厳しさが増しています。やはり景気の落ち込みから財政難が続いており、それが末端までしみついているのでしょうか? ただ、市民としてみれば、公務員の給与の水準や福利厚生・ボーナスの支給などどれ一つとってみても縮小削減する余地があります。民間では給与よりも働き甲斐と言っている人達もいます。
何よりも大事なことは公務員として、心構え、姿勢が市民の方に向けられていないことです。全般的に雰囲気が守りの行政に入っており、閉鎖的です。だから、放火事件が起こってもおかしくない!行政の機関にしても、猛省する必要があります。犯人の動機の犯罪性だけでは片づけられない。どこで起きてもおかしくない事件です。クレーム処理は、大事な仕事です。そこに市民のやるせない気持ちが蓄積されています。
二度とあのような事件を起こさない為にも管理面のセキュリティだけではなく、市民へ開け放たれた市政窓口として温情のある相談や施策を望みます。滞納は市民の目に見えない苦しみです。差し押さえなどの脅し文句はやめて、温か身のある納付相談に応じる姿勢を作っていかないと、滞納は減りません。お互い、人間ですから、弱者(経済的苦しんでいる者)を強者(公務員)がどう対処していくかです。
滞納は法律では解決できません。行政の柔軟性のある施策で解決されるものです。
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